「内向型人間の時代」(2013年)スーザン・ケイン
内向型が注目されるきっかけになった本の一つですよね。内向型を自認していながら、最近になって読みました。
一読して、とにかくホッとしました。自分が中学生、あるいは幼少の頃から感じてきた違和感が、この本によって説明された気がして。
内向型の特徴として上がっているのが、
- 刺激や人の感情に過敏
- 調和を重んじる
- 人当たりが良い
- 音楽など芸術への関心
- 口頭よりも文章の方が自己表現できる
- リスクを恐れる
- カフェインに弱い
- 大勢人がいる場にいるとエネルギーを吸い取られる
など。いずれも当てはまります。保育園の頃、英会話教室に来た外国人の先生に話しかけることができず、親に「意気地がなし!」と怒られました。小学校の休み時間には、みんなとドッジボールをしていましたが、本当は一人で絵を描いたり本を読んだりする方が好きでした。「根暗」と言われるので合わせていました。中高では、周りに元気で自己主張する子が多かったので、仲裁役、バランス役でした。一人で黙々と取り組める受験勉強は好きでした。大学では、大勢の飲み会が嫌で、家が遠いことを理由にそそくさと中座していました。本当は芸術に関係した仕事に興味がありましたが、リスクが怖く、大手企業に就職しました。周りから気取っている、壁を作っていると誤解されることがしばしばで、20代までは結構辛かったです。
「何で自分は周りの人のように、ノリ良く盛り上がることができないんだろう」「何でこんなに臆病なんだろう」「自分はちょっと変なんだろうか」。こうした悩みに対し、本書はそれが内向型の特徴であると丁寧に説明してくれます。意外にも、アメリカでは人口の3分の1から2分の1が内向型だそう。頑張って外向型を偽っている人も多いそうです。思っているよりも多くの人が内向型なんですね。
また、東アジアではアメリカよりも、内向型の特性が尊重されているとあります。明るいスポーツマンタイプだけでなく、静かで勉強のできる生徒も尊敬されると、科挙の伝統も例に。確かにその一面はあるかもしれませんが、同じ日本人でも、私はみんなが大好きなカラオケや飲み会、苦手だな……。内向型が尊重される日本の中でも、輪をかけて内向型ということなのだろうか。
一方、
- お金や名誉に比較的無頓着
- 旅行や初対面の人が苦手
- 細かい調べ物が得意
といった特性は当てはまりませんでした。「めっちゃ出世したい!」「億万長者になりたい!」とかはないのですが、人から認められたいという気持ちは強い方ですし、負けず嫌いだとも思います。だから余計に人生ハードモードなのですが。人の話を聞くのが好きなので、初めての人と会うのはワクワクします。自分の気になった分野はとことん調べますが、それ以外に膨大な資料や数字を読み込むのは苦手です。
内向型が向いている職業は、一人で取り組めるリサーチや執筆、研究など。一人で完結する仕事というのは存在しませんが、そうした特性を理解してキャリアを選択することは重要だと思います。1人悶々と悩みがちな内向型の方には、ぜひ読んでいただきたいです。
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