「エッセンシャル思考」(2014年) グレッグ・マキューン
前々から表紙のイラストと共に存在は知っていました。昨年、電車で「出版から10年」との広告を見て、「読むなら今だ!」と図書館で借りてみました。確かに、ロングセラーとあっていいことが書いてあります。内容としては「限りある時間の使い方」(過去の読書感想文)に似ていますね。
乱暴に内容を一言でまとめるなら、人生であれもこれもは手を出せないので、重要なことに絞って、フォーカスし、残りは切り捨て、結果を出しましょう、と。例えば、家族との関係を重視するのであれば、娘との約束がある日にビジネスチャンスとなる懇談の誘いを受けても、潔く断る。たくさんある仕事上の課題も、重要なものに絞る。
恥ずかしながら、私はこの手の「絞り込み」が苦手です。日本式の根性論にどっぷり浸かり、効率よりも労力によって色々なハードルを乗り越えてしまったからです。受験勉強もとにかく時間をかけましたし(睡眠はとっていた)、新入社員の頃もがむしゃらに頑張ることでなんとか成果を出してきました。そういうのって、ある意味思考停止して目の前のことに盲目的に取り組めば良いから楽なんですよね。反面、自分で考えたり、選択したりすることができなくなる。ふとした時に、「あれ、自分何やってきたんだろう?」と虚しさに襲われる。危険です。
今年はこの「エッセンシャル思考」を少しずつでも身につけたいと思います。実は、昨年妊娠がわかった時から、否応にも身につけざるを得ない状況下に置かれています。今までなら周りに合わせ、遅くまで残って仕事をしていましたが、それでは体力がとても持たないので、さっさと帰らせてもらっていますし、周囲の期待に応えなければと感じていたプレッシャーも、「今の精一杯の努力でできるのはここまでだ」と諦めがつく。子供が生まれたら時間がないので、より一層、優先順位をつけることが重要になってくると思います。
欲張らない。フォーカスを絞る。良いタイミングで読むことができました。
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