「ロングゲーム」(2022年)ドリー・クラーク
一言で言うと、目の前のことに振り回されず、長期的な戦略を持ち、人生で重要なことを実現しましょう、という内容なのですが、まず、著者の経歴が華麗すぎて驚きます。
- 世界で最も影響力のある経営思想家ランキング「Thinkers50」に2019年、21年ランキング入り
- デューク大、コロンビア大のエグゼクテヴィブ教育コースで教鞭をとる
- クライアントにはグーグル、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、世銀
- グラミー賞受賞アルバムのプロデューサー
- 現在はブロードウェーで自作ミュージカルの上演を計画中
ダ・ヴィンチか?と思うほど多彩ですよね。こんな人にアドバイスされた所で、役に立つのかと。でも、本書では著者の「うまくいかなかった実例」もふんだんに掲載されています。新聞でコラムを持つために頑張ったのに、別の人に取られてしまったこと。著名な作家と共著を出すためにほぼ原稿を完成させていたのに、作家の都合でお蔵入りになってしまったこと。有名な会議で講演したかったのに、選ばれなかったこと。
スポットライトの当たった部分だけを見れば、自分とはかけ離れた超人に見えてしまいますが、実際はそうした成功は普段の努力と数多くの失敗の上に成り立っているのだと分かります。なので、諦めずに挑戦し続けることが大事なのだそうです。
私は学生時代に、芸術関係の道を志したことがあるのですが、いつまでも芽が出ないのではないかという恐怖が勝り、諦めてしまいました。でも、この著者は、ブロードウェーミュージカルを上演すると言う夢を(しかも大人になってから)、堂々と追いかけているのです!もっと自由に夢を語り、目指していいのだと、解放された気持ちになりました。
長期的な目標を達成するための方法も、紹介されています。仕事に追われないように、時にはノーと言うこと、事前に行動に移す日を決めてしまうこと、目標達成までの現実的な時間を設定すること、等々。ちょっと私には日本語訳が合わなくて、頭に入ってこない所もあったのですが、上記のポイントは、胸に刻んでおこうと思いました。まずは、自分が本当は何を求めているのかから、じっくりと考える必要があります。
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